
ターゲットを絞り込むということ。
ターゲットを絞り込む。
超具体的に狙うターゲット、お買い上げいただくお客さま像を描く。
これがマーケティングの基本といっても差し支えありません。
こんにちは、蒼井です。
マーケティングの基本はターゲットの絞り込みです。
ターゲットというのは自分の商品やサービスを買っていただきたいお客さま。
絞り込めば、絞り込むほどいいのです。
例えば『アフィリエイトビジネスをおこなう際のブログの読者、ターゲットを30~40代の男性で副業を考えている一般有職者に設定しました。』
これでは広すぎます。
『私のアフィリエイトブログの、ターゲットは40代後半の男性で、年収600万ぐらい。35年の住宅ローンを現在払っていて残り15年。しかし子どもの進学など学資もかかるので、なにか副業を探している、そんなサラリーマンにフォーカスします。』
これでもまだまだ広すぎます。
正確には“設定するターゲット像”としては広すぎます。
ターゲットは超具体的に絞り込んで超具体的に描き上げなければなりません。
Webサイトの設計や、広告のクリエイティブを開発する時に「ペルソナモデル」という、お伝えしたい、買ってただきたいお客さま像を、超リアルに、超具体的に描く手法があります。私も実務でたくさん描いています。
ペルソナモデルで描くターゲット像は、年齢はもちろん、職業、年収、学歴(中高一貫校から大学、学部まで)今、乗っているクルマ、趣味と週末の過ごし方、家族構成、奥さまと子どもの年齢、子どもが通っている学校の種類、服装やお酒の好み。
近眼で眼鏡を普段は眼鏡をかけているけど週末はディスポーザブルのコンタクトレンズを使用していること、
さらには使ってるシャンプーや香りのレパートリーなどの銘柄まできめ細かく決め込んで、細部まで緻密に描きます。仕上げは髭の有無や髪型などまで想定し仕上げは顔写真まで作ります。(顔写真は、人物画像集や雑誌などから選ぶケースが多いです)
とにかく精緻に、手の甲の毛穴、金色に輝く産毛まで想像できるくらい緻密に描く=それほどまでにターゲットを具体的に絞り込んで、描きます。
ターゲットというよりはむしろ、個人を特定してしまうようなレベルです。
しかし、そうやって超極私的にターゲットを絞り込むことで、よりターゲットに届きやすくなるのです。
超具体的に描いたターゲット、今日食べる昼ご飯まで、超具体的に描いたそんな彼=ペルソナモデル=にどんな情報を与えると、興味を示すか。
そんな彼は今どんな悩みや不安を抱えているのか。どんな時に、どんな媒体(メディアで)に接して、どんな内容の情報を与えると、行動に移しやすいのか。
彼が動いてもらうためにはどうすればいいか。
どうすれば動いてくれるか、彼の行動を起点に、逆算しながらコピーやクリエイティブ、Webサイトの使い勝手、サイトの遷移の流れを、つくっていきます。
アフィリエイトビジネスも然りです。
応用しない手はありません。
あなたが普段使っている台所にある洗剤や普段使っている歯ブラシ、今ブログをご覧になられているパソコン、掃除機もこの手法をもって商品開発がなされ、ペルソナをターゲットにして広告計画がつくられています。
Webサイトの設計にもよく使われます(実際私はペルソナモデルを使った某銀行のWebサイト制作に関与しました)。
某大手住宅メーカーの、有名建築家によるデザイナーズハウスなどは、この手法で大きな成功をおさめました、
私も程度の差こそあれ、様々なクライアントにこの手法を提案しています。
良くこんな質問をいただきます。
『そんなにターゲットを絞り込みすぎると、多くの人に伝えることができない。ターゲットに当てはまらない人を捨てるので、チャンスをうしなうのではないですか?』
また『ターゲットは絞らずに、多くの方に接触を高めるために、今回はオールターゲットで行きましょう!』と元気に、まことしやかにうたう広告会社の営業マンもいます。
彼らに対しての回答はいつもこうです。
例えば、スーパーでウインナーの試食コーナーのおばちゃんが大きな声で焼きたてウインナーに爪楊枝を立てて配ります。
『みなさ〜ん、◯◯ハムの新製品、□□ウインナーがやきあがりました、ど〜ぞ〜!』
『そこの白いパンツを履いた奥さん、◯◯ハムの新製品、□□ウインナーがやきあがりました、ど〜ぞ〜!』
どちらのかけ声にお客さまが動くでしょうか?
結果は明らかですね。
白いパンツを履いた奥さんは、明らかに自分ごとなので気に留めるでしょう。声をかけられたから仕方なしに試食のウインナーをつまむかもしれません。
その様子をみて、他のお客さまも群がってきます。広いパンツの奥さんひとりが引き金になって、結果多くの方が動きます。
一度の多くの人を動かすことは、できません。
全員の心に刺さるメッセージは、ありません。
100人を狙うより、ひとりの心に深く突き刺す。
これがターゲットを絞り込む、ペルソナを描くことの意味です。
また、こんな例えはいかがでしょうか?
手を打てば
鯉は餌と聞き
鳥は逃げ
女中は茶と聞く猿沢池
という短歌があります。
場所は奈良の猿沢池(興福寺の五重塔が見えることで有名です)のそばの旅館。
旅館の窓越しに外の景色を見ながら『パンッ!』と打った手が、
池の鯉は餌がもらえると思って寄ってきて
茂みにいる小鳥はびっくりして逃げていき
旅館の仲井さんはお茶の合図とおもってお茶を入れて始める・・・・・
手を打つという、非常に明確で明快なひとつの現象でも、受け取る側の立場で様々に解釈ができてしまうのです。
今日は秋晴れの晴天、朝から心地よい風が吹いています。私は短いこの季節が好きです。しかし、今日の天気とその風は同じ場所にいたとしても、他人は全く同じ解釈、感覚で感じることはありません。(これは「唯識」という考え方です。日本向けのマーケティングに応用できると、個人的に考えているところです。)
例えが、鯉や鳥や旅館の仲井さんになりましたが、ビジネスの対象もこれと同じです。
そのメッセージの本当の意図を期待通りに、そして自分ごとと解釈いただけるのは、ほんの一握りなのです。
だから抽象的で、ターゲットが絞り込まれていない広告やメッセージは、ひとりどころか誰にも本意が伝わらない可能性があるのです。
100人を狙うより、ひとりの心に深く突き刺す。
そのためにターゲットをより明確に絞り込んで、ブログの記事やメッセージをつくることが必要になります。
コピーライターで作家の林真理子氏も以前、
『極私的なことこそ普遍的なこと』
と言われています。(『コミュニケーションの冒険』(電通))
極端に個人的なことの方が、広く世間に広がり易い。このことを広告コミュニケーションに応用しましょうと読んだ記憶があります。
とにかく、ターゲットは絞り込むこと。
100人を狙うより、ひとりの心に深く突き刺す。
これをぜひ心がけていただくと副業ノアフィリエイトでも、現在の本業でもお役に立つと思います。
追記
唯識というのは日本的な考え方です。
唯識をマーケティングに応用して、日本人起点の独自のマーケティングメソッドを体系化していたいと思っています。もちろん、アフィリエイトビジネスにも応用できます。
とにかく受け手の立場によって、解釈は玉虫色、さまざまに変わるので、広く多く伝えるのは不可能。それよりも狭めて特定の人に深く伝えて反応していただく。これを目指しましょう。
「ペルソナ手法」についてはダイヤモンド社から『ペルソナ戦略』というとても良い教科書が出ています。分厚くて高いので買う必要はありません。
私が今後このブログやメルマガで要諦をわかりやすくアフィリエイトビジネスに応用できるエッセンスに解釈してお伝えしますので、専門的に突っ込みたい方のみ、お奨めします。
今日はターゲットの絞り込みについて、ペルソナモデルのお話でした。
最後まで読んでいただいたあなたのセンスは、きっといかしています。
ありがとうございます。